(7) 数学的帰納法
虚数iのn(n–1)/2乗の数列の周期の問題
虚数 i の性質 (あるいは定義)は2乗したら-1、従って4乗したら1になること。
これは必ず使うはず。それをもとに、整数の問題に変換している。
その問題も、少し状況を調べればすぐに解決にたどりつく。
この問題では、∀nをうまくあつかう能力が必要。ここでは、枝刈りしたい k の
場合(kが奇数のとき)を仮定し、①が成り立つ前提で矛盾を導いている。
②の∀nに対して、n = m と n =m+1を利用して矛盾を導いているところに着目。
以上の少々微妙なロジックに慣れてほしい。
ガウス記号を使った数列の収束の問題。
(2) ガウス記号を含む式を分析する有力な手法は、
場合分けによりガウス記号を外すことである。
これは、絶対値記号を外す場合と同様である。
(3) ここでは、あるところから数列が一定になる
ことを示す代表的な状況が議論されている。
すなわち、(2)で示された内容は、全ての anが
ある定数で抑えられていて、しかも ∀n. an ≦ an+1 で
anの値は整数というもので、ここか an が
どこかのn (どのnかは分からないが!) から一定になることが導かれる。
この事実も数学の証明のいろいろなところで利用され、数学に関わる者に好まれている。
mod 3 を組み込んだ数列の周期性の問題。
(1) は、小さな例で問題の状況を調べてもらうために出題されている。
つまり、京大ではこの「調べる能力」を重視していると考えられる。
その中で、mod 3 で状況が定まっていることに気づいてほしい。
調べる習慣と経験があれば、これにはすぐに気づくはずである。
(2) のポイントは、周期性である。数学では、変化するものが、
あるときを境に一定の周期で繰り返しが起こる現象に強く着目する。
それがわかれば、変化が完全に理解されるからである。
ここでも、その周期性の現象をテーマとして出題が行われている。
この問題は、周期性の発生する要因を感じ取るのに
優れた題材なので、この解法を理解、暗記することで
周期性への意識を高めてほしい。重要なテーマなので繰り返し
出題される可能性は高い。
(3) は、周期性を処理するためのテクニックである。
周期8の中のどこにいるかを、n = 8q + r (0≦r<8) で表現する。
絶対値を使った連立漸化式 (整数値域) の問題。
特にアイデアはいらない。ひたすら式変形を実行する。
背理法の利用に若干の工夫が必要。